【短編集】とびっきり、甘いのを。







なんで来たの?

私とはもう終わったんじゃないの?




私はせっかく諦めようと思ったのに。



ケータイの電源を切って作業を続けて、終わったのはもう6時頃。






すっかり暗くなった空に、三日月が薄く光る。




「はぁ…」



ため息を吐いた、瞬間。



「おい」




不意に声をかけられて顔を上げると、校門の前にいたのは彼で。