【短編集】とびっきり、甘いのを。





そっか、うん。

わかったよ。


わかってたよ。




1週間待ったって、連絡は来ない。


私はもう、キミの彼女じゃない。





前を歩くふたりが恋人なのかどうか、そんなことは分からないけど。


わからないけど、どうでも良かった。





斜め後ろ。


ギリギリ視界に入るくらいの距離。




私に気付いてくれないのが、きっと全ての答えだと思った。




「…っ、」




知らないうちに頬を伝っていた涙。



それでやっと、初めて、まだこんなにも彼が好きなんだって思い知らされた。






彼の髪も、少し短くなってた。


私もそれに、気づいてなかった。





いつからこんな風になっちゃったんだろう。




意地張って、素直になれなくなって。



もう好きだって言えなくなってしまった。