「ほれは、わるはったけど、それより、せ、せつみぇい、ひて」


「あん? 何言ってんのか全然分かんない。 あと、年上に向かって、『この人』とか言うのも失礼だから。 分かった? 年上じゃなくても失礼だけど」


頬を引っ張るのをやめ、そのへんにあった白ネギで頭をぺしぺし叩かれる。


「それは悪かったけど…それより説明してよ! って、言ったの!」


「あー、昨日入籍したの」


「かるっ!」


軽い。はてしなく、軽い!


「な、なんで言ってくれなかったの?」


「反対されると思ったから。 それだったら、やむ負えない状況作るしかないかなって」


可愛らしく笑うお母さん。


「そ、そこまでして再婚しようと思ったの…?」


あえて、『反対した』とは言わない。
今言っても仕方の無い事だから。


「赤ちゃんができたから」


「あ、そーなんだ。 …って、ダブルでビックリだわ!」


「3か月」


…そ、そうなんだ。
としか、言えない。


「大丈夫! 婿養子だから名字変わんないし」


…いや、そんな事はどうでもいいんですが。