【短編】ご主人様は生徒会長

「えっと…満さんは、実は女の人?でもそれだとお母さんと結婚はできないし…。赤ちゃんだって…ええと、じゃあゴマ太は市原さんだけが苦手ってことだったのかな…」


俯きながらブツブツと私が言うと、満さんはゴマ太を抱えて起きた。


「ゴマ太はね、“有野家の男以外には厳しい”んだよ」


私はその言葉で顔を上げた。


「僕の旧姓は“有野”。有野満っていうんだ」


「生徒会長と、同じ苗字…?」


「大地は、僕の弟だよ」


頭に何か石のようなものをぶつけられたような感覚がした。

立花さんの話でも、お兄さんがいるなんて言ってなかったし、さっき、生徒会長との会話だって、他人のような感じだったし…。


「弟といっても、本当の弟じゃないんだよ」


「どうゆうことですか…?」


「僕は養子だったんだ。なかなか子供に恵まれない有野家は、跡取りに悩んでいて身寄りのない僕を施設から引き取った。その数年後に、大地が産まれたんだ」


表情を変えずに話す満さん。


「僕は、邪魔者だったんだ」


その瞬間、寂しそうな顔をした。


「誰が邪魔なんて言ったんや」


後ろから声がしたので振り向くと、生徒会長がいた。
怒った顔をしている。