「ワンッ!」


…ワン?
私はキョロキョロと声の出所を探した。

すると、私の後ろに綺麗な毛並みのゴールデンレトリバーがいた。
ヘッヘッと、笑ってるみたいに口を開けて呼吸している。


「かわいい~! どこからきたの~!?」


私は近づいて、頭を撫でる。
…ノラ犬、じゃないよね?

毛並み綺麗だし、高そうな首輪してるし。
ノラ犬がここまで来れるワケないし…。


「ゴマ太、なんでここにおんねん」


と、生徒会長。
…ゴマ太?


「えーと、ご主人様。 この子は…?」


「ああ、俺のペットや」


へー、生徒会長のペットかあ…。


「飼い主に似てなくて、おりこうさんっぽいですね~」


と、言ったあとハッっとした。


「なんて言うた、いま」


「なっ、なんでもないです! それより、この子お腹すいてるみたいですよ!」


「ああ、向こうの部屋にドックフードあるんちゃうかな」


「とってきますね!」


逃げるように生徒会室を出る。
後ろを見ると、ゴマ太もついてきたみたい。


…人なつっこいんだなあ。