「そういえば、平沢先生って平沢さんのお母さんと結婚されたんでしたよね?」


と言う生徒会長。
…何で知ってるの?私言ったっけ?


「ああ、そうだよ。 ここのところ帰りが遅いから心配してちょっと様子を見にきたんだ」


「満さん、ごめんなさい。 でも生徒会長が送ってくれるから大丈夫です」


「そっか、ならいいんだけど」


本当は、あんまり家に帰りたくないから、何もする事が無くてもここにいたりするんだけど。
そんなの満さんには言えないな。


「平沢先生、大丈夫ですよ。 僕が責任を持って送り届けますから」


「そうか…よろしく頼むね」


ドア閉まり、満さんがいなくなると、生徒会長はこう言った。


「平沢、あいつとうまくやってんの?」


仕事しながら、そう言ってくる。


「…いい人だとは思うんですけど。うまくは、やってないです」


「なんで?」


「だって、いきなり知らない男の人がお父さんだなんて言われても…」


私何正直に言ってるんだろう。
嘘でもうまくやってます、って言えばいいのに。


「そう、やんなぁ…」


ポツリと言う生徒会長。

なんかしんみりしちゃって。
ちょっと暗くさせちゃったかな。


「私、コーヒー入れますね!」

満さんの事は、嫌いじゃ…ない。
けど、やっぱまだ慣れない。

コーヒーを入れてきて、生徒会長に渡す。

さっきの話で、空気が重くなった。
私はなにか明るい話題を振ろうと、なにかないかと話題を探した。