「お、お母さんの…恋人、ですか?」


「ううん、昨日正式に家族になったんだよ」


…き、聞いてないんですけど。


「えっと…とりあえず」


私は寝ぼけた頭をフル回転しようとして、頭がぐらぐらしてきた。


「顔洗って、はみがきして…えっと、それから…着替えたり、してきます」


うん、まずはそうしよう。


「いってらっしゃい」


ニコリと笑う、見知らぬ男の人。
私は洗面所に向かい、蛇口を捻る。

冷たい水を手ですくって、顔にバシャバシャと、かけていく。
はみがきしながら、考える。

さっきの男の人…お母さんの恋人にしては、ちょっと若かったような…。

あ!今日はエイプリルフール?
…違うね、5日前に過ぎたね。

はみがきも終わり、コンタクトを入れて、自分の部屋に向かい、新しい制服に袖を通す。

スカートの長さ、これでいいかな。
中学の頃より若干短い。

髪の毛もボサボサなので、クシで整えて、ヘアーアイロンでストレートにしていく。

部屋を出て、またリビングに向かう。
ドアを開けると、ご飯が用意されていた。