学校に着いても、まだ午前中で授業が終わってしまう。

早くかえりたくないし、生徒会に向かう。
生徒会室に着くと、ロッカーが用意されていた。

開けると、そこにはメイド服。
誰かの字で、『毎日着る事』とメモが貼られている。

しぶしぶ、また着て、立花さんに言われて、生徒会長のいる赤いドアをノックした。


「よし、じゃあお茶会にするか。 というわけでメイド、ケーキとお茶用意してきて」

私を見るなりそう言った。
なにがよし、なのかはよく分からない。


「え?私がですか?」


「当たり前やろ、メイドやねんから。 どこに何があるかは翠にきいたらええわ」


そう言われて私は立花さんのもとに向かった。


「あ、入る事にしたんだね!」


立花さんは嬉しそうに笑った。


「どうしたのー、ひよりちゃんその格好! 可愛いけど」



実花ちゃんが現れて、私の姿を見て喜んでいる。

あ、そっか。実花ちゃんにはまだ見せてなかったっけ。
…できれば見られたくなかった。



「それで、生徒会長がお茶会するって…ケーキとお茶用意したいんですけど、どこにあるか教えてもらえますか?」


「あ、うん。 教えるよー!」


こっちこっち、と手まねきされる。
生徒会室を出て、隣の部屋に行く。

扉を開けると、そこは学校とは思えない場所だった。