【短編】ご主人様は生徒会長

カーテンの隙間から、温かな日差しが差し込む。
目を開けて、時計を確認した。

かなり、早起きしたみたい。

今日から、私は高校生。
早く起きて、準備しよう。

そう思っていたら、腹の虫がうるさく鳴き出す。
パジャマのまま、リビングに向かった。

眠気はまだまだとれなくて、あくびをし、目をこする。


「おはよう、ひよりちゃん」


ぱちっ、と目を開け、一旦停止。
そして、目をこする。

また、ぱちっと目を開ける。

…この男の人、ダレ?


「お腹空いたよね? 朝はパン派? ごはん派?」


「ご、ごはん派…」


分かった、と頷きご飯をよそう見知らぬ男の人。


「…って、ちょっと待たれーい!」


ちょっと日本語がおかしくなったけど、そんな事はどうでもいい。

この状況は、一体ナニ?


「あ、あの…あなたはダレですか?」


とりあえず、聞くのはそれだ。
私は間違ってはいない。


「僕? 僕はひよりちゃんの新しいお父さんだよ」


…ナンダッテ? 

私のお父さんは5歳の頃、事故で亡くなって。
それからはずっとお母さんと2人で過ごしてきた。

ちなみに、ひよりとは私の名前。
平沢(ひらさわ)ひより。