「ここ」
そう言った彼が立ち止まったのは、2025というプレートが掲げられた部屋の前だった。
ポケットから取り出したカードキーをドアに挿し込む。
カチャリと小さく音がすると、岬碧衣がドアを開けた。
「どうぞ」
どうぞって……どうして部屋に……?
分からないまま、そろりそろりと足を踏み入れる。
と、目の前には、予想していたよりもはるかに広い空間が広がった。
普通のシングルルームでもツインルームでもない。
ということは……スイートルーム?
「中へどうぞ」
茫然とする私に背後から声がかかる。
「あの……どうして……」
「そうだ。説明をし損ねていたね。そのドレス、早いところクリーニングに出した方がいいだろうと思って」



