それは危険なラブミッション


……政略結婚。
その言葉を聞いて、心が幾分か軽くなる。

幸せを夢見て愛し合う二人の仲を裂くわけじゃない。
そう思うと、人としてどうかと思うような行為も、正当化できるような気がしてならなかった。

でも、それならば、自分でこの女性を略奪した方が話は早いんじゃないだろうか。
そうすれば、この先ずっとホテル業界での確固たる地位を確立できる。


「あの……東城寺さん自身が、この女性と結婚しようとは思わないんですか?」


私の質問に、眉根を寄せる。


「目的のためだったら手段は選ばない主義だが、この令嬢と結婚しようという気は全くない」


“目的のためだったら手段は選ばない”という最初の一言は、この人の場合、本当にそうだと思う。
業界での地位を保つためだけに、卑劣とも思える手段を使おうというのだから。

ただ、どうしてこの女性との結婚は考えないんだろう。