直前になって迷う気持ちがないかと言えば嘘になる。
けれど、私に残された道はそれしかない。
自分を奮い立たせ、東城寺ルイを強い眼差しで見上げた。
「縁談を壊す方にします」
言った途端、東城寺ルイが破顔する。
「賢明な選択だ」
あなたに誉められたところで嬉しくなどない。
そんな思いできつく睨む。
すると、東城寺ルイは後ろに恭しく控えていた西さんに、「例の物を」と言って右手を肩の上にひらりとかざした。
西さんは持っていたアタッシュケースから、A4サイズのクリアファイルに入れられた書類らしきものを手渡した。
それをそのまま私へと差し出す。
「これが例の二人だ」
1枚目の用紙には、男性の顔写真と経歴のようなものが簡単に書かれていた。



