◇◇◇
ルイが私の部屋を訪ねて来たのは、それから3日ほど経ったときのことだった。
ドアを開けるなり、私を抱きすくめる。
「莉夏、会いたかった」
いつもより少し乱暴にキスをするのは、私に会いたかったからなのか、それとも、鳥居さんを抱いたことへの謝罪なのか。
ルイに会えなかったこの数日間は、私にとって余りすぎるほどの波乱だった。
頭の中を整理できたと思っていたはずが、ルイにこうして会って触れ合うだけで、また迷路に逆戻り。
どうにかして、ルイと一緒にいられないか。
そう考えてしまう。
でも――……。
「ルイ、ちょっと待って」
どんどん深くなる口づけにストップをかけるけれど、ルイは「待たない」と抱き締める腕を強める。
そういう強引なところが大好きだった。
それで思い通りになってしまう私自身のことも。
だけど、このままじゃ、ルイの将来を私が奪ってしまうことになる。



