「ある縁談をぶち壊せば、借金はなかったことにするって」 「……え?」 ポカンと口を開けて、夕菜は固まってしまった。 当然の反応だ。 私だって似たようなものだった。 「縁談を壊すって……なんで?」 「分からない」 そんなことをするつもりもなかったから、詳しく聞き出す気もなかった。 その男女のどちらかに恨みでもあるのか、何なのか。 全然見当もつかない。 「でも、それで2千万円はチャラにしてくれるって?」 「うん。バカバカしいでしょ」 「そう?」 「え?」 夕菜の予想外の反応に驚く。