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予定外に早く店へ戻ると、達哉くんと麻緒ちゃんはバリ島から到着した荷物の整理に追われていた。
「おかえりなさい、莉夏さん。随分と早かったですね」
閉店も任せようとしていただけに、ほんの数時間で帰った私は、何となくいたたまれない気持ちになった。
多分それは、不発に終わったからに他ならない。
これできちんと会えた後だったら、認めてもらえるかどうかは置いて、また違った気分だったかもしれない。
親族が来ないと知った最初こそルイは動揺していたけれど、私と別れるときには「また機会を作るから」と何でもないことのように言った。
鳥居さんとの結婚を諦めさせること云々より、そのもっともっと前段階の、私の存在を認めてもらわないことには先に進まない。
「商品の搬入、やらせちゃってごめんね」
「大丈夫ですよ。莉夏さん、何だかお疲れモードですね」
従業員にまで気を遣わせる始末。
「少し裏で休んでてもいいですよ?」



