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真っ青な空にそびえる巨大な建物。
周りのビルとは一線を画した重厚さは、目の前に建つと圧倒されてしまう。
東城寺ホテル。
そこへ来ていたのだった。
店まで迎えに来てくれたルイにエスコートされて、射し込む外光が眩しいほどのエントランスをくぐった。
大理石のフロアに二人の足音が響く。
緊張の波が押し寄せてくる中、それをひと時でも忘れようと、話題を探して頭を巡らせる。
「……ねぇ、ルイ、あの携帯はどうしたらいいの?」
岬さんの元に置き去りになったままの携帯のことだ。
「あれなら、岬にくれてやる」
「え?」
「わざわざ取りに行くまでもない。解約してやった」
「……」
一瞬の間の後、思わず吹き出した。



