「ふざけたことを言うな」
「……え?」
「もう会わない方がいいだと?」
見上げたルイの眉間には深い皺が刻まれていた。
不機嫌そうに眉を潜める。
「だって、ホテル雅と組めば、ルイの望み通りじゃない。結婚すれば、それが叶えられる」
「鳥居さやかとは結婚しない」
「どうして?」
「簡単なことだ。莉夏がいるから」
「親族が黙っていないでしょう?」
「黙らせる」
「でも、」
「俺のことが信じられないのか」
自信に満ち溢れたルイの顔。
そこには、嘘も不安もないように見えた。
「……信じたい」
でも――……
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