「なんとかなるといいわよね」
その背中を見送りながら、夕菜がポツリと呟く。
……ほんと。
背負わなくて済むものなら、そうしたい。
せめて、クリーニング店を処分したときに借金のことが分かっていれば……。
自分のお店の夢は先延ばしになってしまうけれど、それで完済することができたはずなのに……。
しばらくすると、マスターが戻ってきた。
浮かない表情。
良くない結果に終わったことを告げられるんだろうと覚悟する。
「莉夏ちゃん、ダメだったよ。やっぱり、莉夏ちゃんの場合は、借金も相続しなくちゃならないらしい」
「……それは、遺産を相続したから?」
「そうらしい。莉夏ちゃんのように借金の存在を知らなかったっていう場合もあるから、一定の猶予期間を設けてるらしんだけど」
「……その猶予期間って?」
「2ヵ月」
まるで話にならない。
2年も経っているのだ。



