それは危険なラブミッション


――政略結婚。
つまり、それ以外の女性は邪魔な存在ということだ。

ルイ自身がそれを望んでいることは、私もよく知っている。
結婚は仕事の延長上。
そうはっきり言っていたのだ。

それじゃ、西さんがここへ来たのは、私に釘を刺すことが目的だった……?


「余計なことを申し上げてしまいました。それでは、私はこれで失礼いたします」

「あ、あのっ、西さん、」


思わず呼び止めたものの、言うことを用意していない。


「何でございましょうか」

「あ、いえ……。わざわざ伝言を届けてくださり、ありがとうございました」

「どうぞお気になさらずに。冷え込んでいますから、早く中へお入りください」


西さんはもう一度頭を深く下げると、今度こそリムジンに乗り込んだのだった。