それは危険なラブミッション


飲み物にも食べ物にも、手を付けられずに、ただポツンと座っているだけの私。
私がトイレに立ったことすら、ルイは気づきもしなかった。

……帰ろうかな。
きっと、このまま私が帰ったとしても、ルイは全然気にも留めないだろう。

時間をつぶすつもりでゆっくりとトイレから出ると、そこには岬さんの姿があった。


「浮かない顔だね」


もう分かっていた。
岬さんが今夜、ルイと私をここへ呼んだ理由が。


「あの二人、すごく楽しそうだよね。すっかり意気投合してるよ。やっぱり同じところで育ったって強みだね」


空港でルイと一緒にいる私を見て、岬さんはとっくに私の気持ちに気付いていた。
私がルイを想っているということを。

ルイと鳥居さんが同じ施設出身だと知っていて、わざと引き合わせたのだ。


「さやかさんと俺との縁談は白紙になったし、今後はもしかしたら東城寺ルイと急速に接近するかもしれないね。鳥居ホテルとの縁談が進めば、東城寺ルイの望むホテル業界での地位は確固たるものになる」