それは危険なラブミッション


「はい、これでオッケーよ、莉夏。さぁ、話してちょうだい」


カウンター方向ではなく私に身体を向け、聞く気満々といった様子だ。


夕菜は、高校生の時からクラスメイトにお姉さん的存在として慕われていた女性で、同じ歳ながら私もついつい甘えてしまっている。

当時から、相談事の持ち込み件数はクラスでもナンバーワンだっただろう。

精神年齢が高いということなのか。
夕菜の回答が解決を導くものでないとしても、聞いてもらうだけで不安が消えてしまうというのだから驚きだ。


「亡くなった両親に借金があったの」

「え? 莉夏の御両親に? ……いくら?」

「……2千万円」

「に、にせんまんえん!?」


夕菜の驚いた顔といったらなかった。

大きな目を2倍にも見開いた状態で固まること数秒。
それからパチパチと激しく繰り返される瞬き。
その長いまつ毛からは、扇風機の微風クラスの風を感じるほどだった。