ここにずっとこうしているわけにはいかない。
完全に起き上がったところで、ハラリと毛布が落ちる。
ルイが掛けてくれたらしい。
そんな優しさに胸が疼くから厄介だ。
ベッドサイドに揃えられていたミュールに足を滑らせ、立ち上がった。
「待て」
追いかけて来た声と私の手首を掴むルイ。
「帰るってどこへ」
「……どこって、私が泊まってるホテル以外にある?」
「それなら無理だ」
「え?」
無理って……?
「あっちはキャンセルしてきた」
「……キャンセル?」
どういうこと?
ルイの言ってることがさっぱり分からない。



