料理は既に片づけられていたものの、キャンドルと花びらはそのまま。
幻想的な風景は、ここへ来た時と変わらずそこにあった。
「せっかくだから、そのままにしてもらったんだ」
まるで私の考えていることを読み取ったかのようにルイが答える。
「そうなんだ……」
ゆらゆらと揺れる炎をぼんやりと眺める。
シャンパンを飲みすぎたせいか、眠っていたせいか、まだ頭の中がクリアにならなくて、自分の取るべき行動が掴めない。
「大丈夫か?」
「う、うん……」
ルイが心配そうに私の顔を覗き込むから、不必要に身体を遠ざける。
それが気に入らなかったのか、ルイはほんの少し顔を歪めた。
「……そろそろ帰らなくちゃ」
腕時計は22時を回るところだった。



