それは危険なラブミッション


「……怒らないの?」


予想に反してルイの顔が明るくて、逆に戸惑う。


「ばれてしまったものは仕方がないだろう。俺が怒ったところで、その事実が覆るわけではない」

「でも……」

「他の手を考えるまでのことだ」


ルイの考えていることがさっぱり分からなかった。

あれほど邪魔したかった二つのホテルの合併が、私の失態で現実に近づいたというのに、怒るわけでもなければ、失望するわけでもない。
明るい表情は、私に対する憐みなのか。
これで、遠慮なく2千万円を取り立てられるという喜ぶべき展望からなのか。


「……これでもう会うこともなくなるね」


つい小さくポツリと呟いた言葉に、ルイが「え?」と聞き返す。


「ううん、何でもない」


急いで誤魔化して、ムクムクと頭を出してくるルイへの想いを封印すべく、シャンパンをひと思いに飲み干した。