「そんな暇はない」
暇はないって……。
思わず目を瞬かせた。
バリ島に一泊だなんて、随分と強行スケジュールだ。
私からしたら、せっかく飛行機代を掛けて来たのにもったいない。
それが、セレブと庶民との違いなんだろうけれど。
ルイは不満そうな顔でサテを頬張り、串をスッと抜いた。
「……何だ」
「え?」
不意に目が合う。
ルイは訝しげに私を見た。
「俺の顔に何か付いているのか?」
「あ……うん」
ちょっとしたイタズラ心が頭をもたげる。
「……目と鼻と口」
言った私に、ルイは表情を崩して笑う。
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