それは危険なラブミッション


ルイに案内されたこの部屋は、多分ファミリータイプのものだ。
東屋とプライベートプールのある中庭を挟んで、独立したヴィラが2軒建っている。
ここから一切外へ出なくても、何日でもゆっくりしていられそうなホテルだ。

そこにルイ一人で泊まるだなんて、なんという贅沢。


「それで、どこ?」

「……機密事項だから言えない」

「何よ、それ」


自分のホテルの詳細ならともかく、よそのホテルのいいところくらい教えてくれてもよさそうなものを。
不満に口を尖らせたところで、ルイはその件に関して口を割る気はないらしく、空になった私のグラスに無言でシャンパンを注ぐ。


「日本へはいつ帰るんだ」


話題まで変えられてしまった。


「明日の夜の便。ルイは?」

「奇遇だな。俺も明日の夜、こっちを経つ」

「そうなの? 今日来たばかりじゃなかった? 他にもっと視察して行かないの?」