「おい、莉夏、何をボケッとしている」
いつの間にか数歩前にいるルイが振り返った。
「こっちだ」
花びらをなるべく踏まないように歩くルイの後についていく。
その先には、真っ白なテーブルと椅子。
傍らには、ホテルのスタッフが2名、かしこまっていた。
椅子を引くスタッフを手で制し、ルイが私を座らせる。
向かいに座ったルイがスタッフに「それじゃ、始めてください」と告げると、すぐに料理が運ばれてきた。
所狭しと並ぶバリ料理。
グラスに注がれたシャンパンで軽く乾杯すると、どれから食べようか迷ってしまった。
バリの伝統料理では外せないと言われるバリニーズ・サラダのラワール、香辛料と肉や魚を串刺しにして焼いたサテ、バリのお餅、それから忘れてならないのが、豚の丸焼き・バビグリン。
初めてその姿を見たときこそ衝撃的だったけれど、今となっては私の大好物。
香ばしく焼き上がった皮は最高に美味なのだ。
「料理より、莉夏の顔を見ている方が面白いな」



