エスコートされるがまま、部屋の中へと足を踏み入れる。
中は、ほどよくクーラーの効いた空気に包まれていた。
電気のスイッチはどこだろうか。
ルイときたら、点ける気はないらしい。
外から射し込む光を頼りに部屋の中を横切る。
――と、目の前に現れた大きなガラス製の扉の向こうに淡いオレンジの光が揺れているのが見えた。
何だろうかと思いながらドアへと近づくと、それが無数のキャンドルだと気付くまで、そう時間はかからなかった。
ルイが扉を開けると、広い中庭いっぱいにキャンドルが灯っていた。
鼻先をかすめるプルメリアの香り。
芝生の上には、赤とピンクの花びらが敷き詰められていたのだった。
幻想的な光景に言葉を失くす。
「……これ、どうしたの?」
やっと開いた口から漏れた言葉。
私が驚いていることに満足したのか、ルイは「気に入ったか」とニヤリと笑った。
「……でも、どうして?」
キャンドルも花びらも、まるで恋人同士が過ごすようなセッティング。
これじゃまるで……。
何かを期待して高鳴る胸を押さえるのに必死になる。



