弁解どころか、言葉が何一つ出てこない。
その目も見ていられなくて、俯いてしまった。
「……答えられない?」
「……ごめんなさい」
謝る以外になかった。
許してもらえるとは思わない。
でも、他にどうすることもできなくて、頭を下げてお詫びをするしかなかった。
岬さんのつま先が、私とは反対方向へゆっくりと向く。
そして、そのまま遠ざかる。
店を出て行ったのだった。
事態がすぐには呑み込めなくて、岬さんが出て行ったドアを呆然と見つめる。
「莉夏、追いかけなくて大丈夫?」
……そうだよね。
「……夕菜、ちょっと行ってくる」
そう言い残し、岬さんの後を追いかけて店を出た。
けれど、時間を大幅にロスしてしまったらしい。
私が店の外に出たときには、右にも左にも、岬さんの姿はもう見えなくなっていたのだった。



