「嫌いか?」
「その逆よ。大好き!」
思わず笑顔がこぼれる。
「……でも、もらっていいの?」
ウニなんて高級食材を。
……ルイにしてみたら、どうということはないものだろうけれど。
「他意はない。他への土産のついでだ」
……そんなことはわざわざ言わなくてもいいのに。
“莉夏のために”なんていう一言をルイからもらう必要はないけれど、せめてもう少し気を使ってくれないものか。
つい唇が尖る。
「なんだ、何か不満なのか?」
「いいえ、何でもありません。どうもありがとう」
差し出された紙袋を遠慮なく受け取った。
「来たついでだ。送って行こう」
「いいわよ。まだレジの締めもしなくちゃならないし」