裕美と付き合いはじめて1周年。
こういうのに疎い裕美は、今日が何の日かなんてわからないだろう。

「あ、これ似合うかも」

プレゼント選びで、雑貨屋にいる。
そこでみつけたカンカン帽とやらが、裕美に似合いそうだ。

(こんな感じのが欲しいって言ってたっけ...)



あれ...
こういうのって、どう渡せばいいのか分からないんですけど!?

しまった..

「あっ、悠ちゃん。探したんだよーっ」
「..?探したって、何で。」
「だって、今日は付き合って1周年だよ?はい、これ。」

驚いた、覚えてたんだ。
...嬉しい、

「えっと、これ。俺から...です。」
「わっ、可愛い!!ありがとう!」

「...ちょっと散歩しない?」
「――勿論!」

しっかりした幸せを感じながら、歩いていく2人の影は繋がっていた。


「えへ、実は由梨に言われるまで気づかなかったんだけどね」
(何でアイツ付き合った記念なんてわかんだよ)

夏の想い出 番外編完