「待っています」

飯森は、元気よく言った。俺は、こう答えた。

「HalLOVEen(ハラヴェン)、だな」

「なんですか、それ」

「俺が作った。意味は、お前が考えろ」

「教師っぽい!」

「教師だ。嫌なら離れろ」

「そんなところも、好きです!」

「はいはい……」

俺は、屋上からの帰り道、飯森と戯れながら、車に乗って、帰りが遅くなった彼女を家まで送った。

そして、真生の保育園に迎えに行くと、真生はハロウィンの仮装とお菓子をいくつか持っていた。俺は、真生を抱えると、自然な微笑を浮かべながら、二人で暮らすアパートへ車を走らせた。

「パパ、うれしそう」

真生が、お菓子のフィルムをむきながら言った。俺は、そうか、と答えつつ、満天の夜空に向けて、つぶやいた。

なあ、サヤ……恋を、始めても、いいか……?
  


 
Happy Halloween and Happy Love!

(了)