…またもや嫌な予感が…


チクッと痛みが走ったかと思うと、宙が満足そうに顔を上げた


…まさか


急いでカバンから鏡を取り出す


そこには赤い跡がくっきり映っていた


どうしよう


普通に見えちゃう位置だよ…


「もうっ…宙!」


私は怒っているのに、嬉しそうな宙


「俺のものって印」


この様子からして、わざと見えるところに付けたのだろう


宙が嬉しそうにしているのを見て、”これでいいのかも”なんて思っちゃう私はバカだろう


「…帰ろ?」


もう、赤い跡については触れないことにした


「あぁ、帰ろーぜ」


宙は当たり前のように私の手を取って歩き出す


それだけで嬉しくて


私は本当に宙が好きなんだなと自覚する



宙…大好きよ…


「っ…俺も」


!?


え?なんで??


「声に出てるから(笑)」


…どうやら、喋ってたみたい


そこからは誰も喋らなかった


でも、心地よい空気が流れていた