「……冬夜」
沈黙に耐えられなくなった私は冬夜に呼びかける
冬夜は二、三歩あるいてから私の方へ振り返った
「…だから言ったのに」
「え?」
「…俺が別れろって言った前日、時騎が他の女といる所を見た。…いてもたってもいられなくなって、時騎に音遠のことを聞いたんだ。そしたら…」
うつ向きながら話していた冬夜が私と目を合わせる
「…彼女だけど、別に一番って事じゃねぇよ…だってさ」
なんて悲しそうな目をしてるんだろう
「それを聞いて…音遠が事実を知って、傷つく前に別れさせようとした…。傷ついて欲しくなかった」
ドンッ
冬夜の話が一段落した瞬間
屋上の扉が開いた



