恋の種をひとつぶ



……この字、なんか、すごく大熊くんっぽいなぁ。


堂々としていて、でもすこし、不器用なかんじ。


そう思うと、また笑みがこぼれてしまった。


……字は人柄をあらわすっていうけど、本当にそうかもしれないな。


そういえば大熊くん、寝てることが多いけど、ちゃんとノートはとってるのかな。


……あ、数学の授業は起きてるか。


ノートに書かれた字も、名前と同じで、大きめなのかな。


線から、はみ出たりしてないのかな。



次から次へと、知りたい気持ちがわいてくる。


わたしは何げなしに、大熊くんのノートに、指を引っ掛けた。


本当に、ただ、何となく。


ぱらりと、偶然開いたページ。


その瞬間。




「…………っ、」




わたしの息は、とまっていた。