恋の種をひとつぶ



……そのせいかな。


目覚ましより、はやく起きちゃうし。


鏡も、多く見ちゃうし。いちいち前髪を整えちゃうし。


今までつけたことなかったような、リボンのヘアゴムなんて買っちゃうし。


ふわふわ、地面から数センチだけ、浮き上がってるみたいな。


そんな原因不明の状態が、ずうっと続いてる。



悠真ちゃんに解放されたあと、わたしはのそのそと、自分の席にむかった。


わたしが学校に来る時間は、どちらかというと遅め。


クラスメートは、もう半分以上が登校してきていて、まわりはすごくにぎやかだ。


サブバックのひもを握る手に、力をこめる。


よし、と、すこし気合いを入れてから、顔をあげる。



「……っ、」



1番うしろの席に座っている大熊くんと、目があった。