恋の種をひとつぶ



気づいてもらえたのがうれしくて、わたしは思わず、顔をほころばせる。



「へへ……うん。駅前で見つけて」

「へー!かわいいかわいいっ!!似合ってるよ!!亜由美、いーっつも地味なゴムしかしてこなかったからさぁ。なになに、どんな心境の変化?」



感想から質問まで、続けて、一息に言った由真ちゃん。


その目は、興味津々、といったふうに輝いている。


わたしはへへっと笑って、「べつになんでもないよ」とごまかした。



ごまかした……って、いうか。



ーーどんな心境の変化?



……自分でも、よくわからないんだ。



うまく説明できないんだけど、ここ数日、みょうに落ち着かない。


軽く走ってるときみたいに、心臓のあたりがずっと、トクトクしてる。