学校中を散々走り回って、ようやく旧校舎裏で座りこんでいる人影を見つけた。


先生と生徒・・・桃子センセイがそう呟いたのもしっかりと聞こえた。


「だから? それが何?」

桃子センセイに聞こえるように大きな声で言ってやった。


先生と生徒、それが何だよ?

「うわっ。結城くん!?」

「な、何でいるの? ミスターコン始まっちゃうよ」

俺は桃子センセイの隣に乱暴に座りこんだ。
めちゃくちゃ走り回ったせいで、息が弾んでる。

「棄権した」

「え!? 棄権ってそんな急に? 困るんじゃない?」

「実行委員は困るだろーね。 桃子センセイのせいだから、後で謝っといてよ」


「そんな・・てゆうか、結城くん格好ひどいよ」

ドレスを脱いだせいで、ジャージにカツラにメイクはバッチリという不思議な出で立ちだ。

カツラは半分取れかかってたから、ズルっと思い切りよく外してしまう。


それを見た桃子センセイはちょっとだけ笑った。

可愛いな・・・

すっげー可愛い。



桃子センセイの頬に手を伸ばす。

桃子センセイがびくっと反応するのが、
妙に色っぽく感じた。


「桃子センセイ、俺が好き?」