密室の恋人





 朝、目を覚ました蒼汰は、凛子が隣に居ないことに気がついた。

 なんだか久しぶりに良く眠れた。

 気分もいい。

 着替えて一階に行くと、凛子は、また、開いた冷蔵庫の前でしゃがんでいた。

 いや、今日は下の冷凍庫を開けているようだった。

「お前が凍るぞ」

 背後に立って、そう言うと、凛子は、ひっと息を呑む。

「そ、蒼汰さんっ!?」

「なに怯えてるんだ?」

「な、なんでもございませんっ」
と凛子は慌てて、扉を閉める。

 明らかに挙動不審。

 いや、いつものことだが……。

「あのっ、今朝は私がご飯作りますから。

 まだ早いですよ。

 どうぞ、ベッドに戻って、安らかにお休みください」
と背を押し、他所へ追いやろうとする。

 安らかにって……。

「殺す気か」
と呟きながら、怪しい、と思っていた。

 が、追求しても、今すぐには、なにも喋りそうにはない。

 不気味な愛想笑いを浮かべる凛子を横目に見ながら、
「……任せた」
と言った。