密室の恋人

 蒼汰は、眠っているようだった。

 寝顔は可愛いな。
と思わず、見つめてしまう。

 そのとき、蒼汰の口が開いた。

 また寝たふりだったのかと思ったが、違ったようだった。

「こんばんは、凛子ちゃん」

 そう言ったからだ。

 一瞬、誰がしゃべったのかと思った。

 声は同じでも、物の言い方が全然違う。

 蒼汰は目を開け、起き上がると、こちらを見て穏やかに微笑んだ。

「こんばんは。
 雨宮凛子ちゃん」

 やあ、ようやく、君と喋れたーー。

 そうまるで少年のようなあどけない顔で、蒼汰は微笑んだ。