密室の恋人

「えー、すみません。
 残念ながら」

 真正面から訊かれると、返答に困るんだが、と思いながら、
「あっ、そうだ」
と声を上げる。

「わかりましたよ。
 蒼汰さんは、私が自分を振り向かないから、気になるだけなんですよ。

 私は、貴方にも、貴方の背景にあるものにも全く興味ないし」

「お前な……」

 あまりにストレートな答えに、蒼汰は一瞬、言葉を失ったようだった。

「幾らなんでも、あんまりだろう。
 ちょっとなにかお仕置きが必要か?」
と手首をつかまれる。

「すっ、すみませんっ。
 言い過ぎましたっ」

 人様に対して、全く興味がない、というのは失礼だったな、と気がついた。

「貴方のことは嫌いじゃないです。
 ただ、男性として、好みじゃないだけです。

 ……すみません。
 全然、フォローになってないですね」

「凛子」
と冷たく名前を呼ばれる。

「昨日、情けをかけずに、お前をどうにかしておけばよかったな」
と言われる。