なんか申し訳ないなあ。
凛子はひとり、二階の風呂に入りながら思う。
かと言って、一緒に入るとか絶対勘弁だし。
でも、言うことは優しくないことも多いけど。
実は結構優しいよね。
少しひんやりする風呂の縁に肘ですがって、目を閉じる。
『お前と居ると、なんか楽なんだよ』
そんな蒼汰の言葉を思い出していた。
私も楽です。
変に気を張らなくていいし、格好もつけなくていいし。
……いや、まあ、普段から、誰に対しても、つけてないけど。
それにしても、いい匂いだ。
花の香りと、石の鉢に積まれた白と薄い緑色のソープの匂い。
天国だあ……。
浴槽に背を預け、木製の天蓋を見上げたあと、目を閉じる。
「おい、生きてるか?」
しばらくして、ふいにかかった蒼汰の声に、はっとした。
いかんいかん。
意識が飛んでいた。



