密室の恋人

「いいが、風が強くなってきたぞ。
 俺が取ってきてやるから、お湯でも入れてろ」

「えっ、悪いですっ。
 私も行きますっ」
と蒼汰について、庭に出た。

 なるほど、風が強い。

 突風に思わず目を閉じると、
「お前、見ずにどうやって、花を摘むつもりだ」
と言われる。

「て、手探りでーー」

 阿呆か、と言いながら、蒼汰が摘んでくれ、そのまま、物のように抱えられて、中に戻った。

 厚いガラス扉が閉まり、暖かい空間に戻ると、ほっとする。

「島もいいが、海が近いと、嵐のときは困るな」
と言う蒼汰はかなり濡れていた。

「蒼汰さん、お湯、もう溜まってるかも。
 どうぞ、先に入ってください」

「ほんと、こういうときだけは、『蒼汰』だな。

 俺は下の風呂に入るか、シャワーでも浴びるから、お前は、好きなだけ、風呂を堪能しろ。

 ……それとも一緒に入るか」
と笑われ、凛子は慌てて首を振った。