やばい。
また、それ目当てに結婚していいものを見つけてしまった。
蒼汰の作ってくれた美味しいじゃがいものスープと、パンケーキと、自分が焼いたステーキで、満腹になりすぎた凛子は、屋敷内を散策していたのだが。
二階の片隅で見つけてしまった。
なんだか凄いお風呂を。
木製の台のようなものの中に、白い円形の浴槽がはまっていて。
風呂なのに、天蓋つきで、四方にカーテンが下がっている。
「ぱあーっ、とあの側にある白い石の器に南国の花とか飾ってーー」
木製のアジアンテイストな大きな扉にすがりつき、思わず妄想を口に出して呟くと、
「南国の花なら、外にあるが」
と声がした。
うわっと身を引く。
蒼汰がまたも後ろに立っていたからだ。
「貴方、私の背後霊ですか!?」
と訴えるが、
「お前の背後霊もなにも。
この島には二人しか居ないんだから、お前の後ろにしか立てないだろう。
それに、いつも、後ろに立ちたくて立ってるわけじゃない。
見つけるたび、お前が妄想にとらわれて、自分の世界に入っているから、すぐにかける言葉がないだけだ」
と言われてしまう。
「だって、いろいろ素敵だから、つい」
と言い訳するついでに訊いてみた。
「あの、外の花、取ってきてもいいんですか?」



