密室の恋人

「いやっ、あの、余計気になるんですけどっ」
と思わず、蒼汰の両手を掴み、間近にその顔を見上げて、懇願してしまう。

 すると、蒼汰は、
「それだよ」
と言った。

「え」

「それだよ。
 お前は、俺の前では、無防備すぎるーー」

 そう言い、目を細めて、見つめてくる。

 その表情がなんだか、あの霊の人と重なって見えた。

 そのせいだろうか。

 うっかり、そのまま、その口づけを受けてしまう。

 今までみたいに、途中で逃げることなくーー。