密室の恋人

 



 昼食後、二階の大きな観葉植物がある部屋の、白くて広いソファに寝転び、本の続きを読んだ。

 蒼汰が、音楽をかけてくれたが、謎の民族音楽だった。

 本を読みながら、
「お香炊いて、ヨガとかやりたくなりますね」
と言うと、

「いいぞ、やれ。
 俺は見てるから」
と言われる。

 蒼汰は、スピーカーの前の藤の椅子に座り、大きな図録のようなものを見ている。

 ベランダに続く白い大きな窓は開かれ、長いレースのカーテンが時折、強い風に大きく棚引く。

 満腹だし、気持ちいい。

 眠くなるなあ、と思いながら、小さく欠伸をすると、
「寝たらどうだ?」
と蒼汰に言われた。

「いえ、続きが気になるので」
と目をしばたたきながら、本を持ち直すと、

「心配しなくても、襲わないぞ」
と言ってくる。

「そんな心配してないですよ。
 っていうか、夕べもしてなかったんですけどね。

 なんででしょうね。
 よくわからないですけど。

 たぶん、貴方を信頼してたんですよ」

 そんなことを、ぼそりと答えた。