密室の恋人




 二人でプールサイドの広いソファに並んで寝転がり、本を読む。

 蒼汰が大きなパラソルを立ててくれたので、程よく日陰だ。

 気持ちがいいなあ、と凛子は目を閉じた。

 そうすると、風の流れがより一層はっきりと肌や髪に感じられる。

 ふいにそれがなにかに遮られ、目を開けようとしたとき、唇になにかが触れた。

「やめてください」
と蒼汰の顔を手で止める。

「どうした。
 書庫目当てと別荘目当てで、俺と結婚するんじゃなかったのか」

「結婚するときは、本人目当てでしたいです」
と言うと、

「普通、相手が好きで結婚するときは、わざわざそういう言い方しないだろう」
と笑う。

「いや、もう。
 ほんとに落ち込んでるんですよ〜。

 言ったじゃないですか。
 私、今まで真面目に生きてきたのにーー」

 まさか、初めての夜の記憶がないとは。

「昨夜、なにがあったのか、全然、思い出せないんですよ」
と言うと、

「じゃあ、再現してやろうか」
と言い出す。