密室の恋人

「まあ、宝の地図はともかくとして、百科事典には、大抵、ヘソクリがありますよ。

 みんな開かないから」

 また、大抵と言ってしまった、と思っていると、蒼汰は鼻で笑い、

「ヘソクリね。
 地図より現実的だな。

 宝探す手間が省けていいだろう」
と言う。

 蒼汰の嫌味は聞き流し、さて、なに読もうかな? と書棚を見る。

 うっ、三分の一は日本語じゃない。

 渋い顔をしたのを見られたようだった。

 蒼汰は笑いながら、何語かわからない本をめくっていた。