密室の恋人

「伊月さん……」
と呼びかけると、すぐ、

「蒼汰」
と直される。

「蒼汰さん。
 あのソファで本とか読みたいです」
と茶色い木のそれを指差し、ぼんやりと呟くと、

「現実逃避じみてるな」
と笑いながらも、いいだろう、と許可してくれた。