密室の恋人

 ふう、と溜息をつき、座り直した凛子に、
「……凛子」
と頭から塩をかぶった蒼汰が呼びかけてくる。

「す、すみません、蒼汰さんっ」

「いや、まあ、お前が俺を守ろうとしてくれてるのはよくわかった」

 そう渋い顔で言われる。

 ははは、と誤魔化すように笑うと、蒼汰が、
「お前も塩、かぶってるぞ」
と髪に触れてくる。

 なんだか結局、間抜けな初夜だ。

 でも、それもまた、私たちらしい、と思った。

 そのままキスしてきた蒼汰に、
「しょっぱいですっ」
と訴えると、

「お前がかけたんだろ、我慢しろ」
と言ってくる。

 だが、口づけたあと、凛子と目を合わせた蒼汰は笑い出した。

「やっぱり、なんだか間抜けだな」
と言う彼に、

「もう〜」
と文句を言うと、

「いや、でも、お前のそんなところが好きだよ」

 そう言ってくる。